境界の狭間で
当時から据え置きのコンシューマゲーム機ではPC版と同時接続できるオンラインゲームが幾つか存在しました(ファイナルファンタジーXIとか大航海時代オンラインとか)が、さすがに携帯ゲーム機とは正気の沙汰とは思えないというか、セガらしいというか。もちろんそうだとすれば…3DSや PSPはスペック的にあり得ないので、やはり Vitaにするしかないのも事実。
結果として Vita版は無事に船出し、今はそれが普通になりましたね。
私は主にPC版でプレイしていますが、Vita版でもプレイしています。両方共プレイすると、やはりその違いというのも見えてきます。今回はそのことについて少し書いてみようと思います。
ところでゲームをプレイ中、目の前の人がPC版・Vita版どちらでプレイしているか、パッと分かる方法はあるでしょうか?…もちろん自分たちのいるブロックが PC専用ブロック(0xx)か Vita専用ブロック(1xx)であれば一目瞭然です。そうでない場合、最も簡単な方法は…「目の前の人に直接聞く」です。身も蓋もないのですが、これが事実なのです。
…一応、以下に挙げるような方法で類推は出来ます。でも完璧に分かるわけではないので、聞いた方が早かったりします。
まずその人のアークスカードを見ることが出来る場合、その中にある「PSNオンラインID」という項目を見てみましょう。Vita版でプレイしたことのある人なら、ここに何か文字列が入ります。ただ、それはその人がその時 Vita版でプレイしていることを表しているわけではありません。なぜなら、その後その人が PC版でプレイしたとしても「PSNオンラインID」には文字が入ったままだからです。従って、この項目を見て分かることは
・空欄の場合、PC版でしかプレイしていない人
・空欄ではない場合、Vita版でプレイしたことがある人
という2点になります。PC版でしかやっていない人を見分けることは可能ということですね。
それから、その人がフレンドである場合はフレンド一覧、同じチームのメンバーである場合はチームメンバー一覧を見ると、その人のいる場所が分かるようになっています。
・PC専用ブロック(0xx)にいるなら、確実にPC版でプレイしている人
・Vita専用ブロック(1xx)にいるなら、確実にVita版でプレイしている人
ということになるのはいうまでもありません。…もちろんその人がマイルームやチームルーム、共用ブロックにいるときは区別がつきません。
PC版と Vita版の違い
さて、同時にプレイできるとはいえハード的な違いがある以上、どうしても PC版と Vita版とでは違いがあります。画面の綺麗さについては、高スペックなPCと比べれば Vitaがどうしても見劣りするのは仕方ありません。しかしきちんと一緒にゲームが出来る以上、その優劣を論じる必要はないかと思います。とはいえ根本的な処理能力やメモリ容量(あ、これはメモリカードの容量ではなくシステムがプログラムを動かすために使えるメモリの容量という意味です)などにおいて Vitaが一歩譲るのは事実であり、そこに配慮して Vita専用ブロックと共用ブロックでは、PC専用ブロックとは少々仕様的に違うところがあります。
まず、Vita/共用ブロックではクエストのマップが PC専用ブロックより狭くなります。このため、ボス直でクエストを終わらせたいときは、PC版でプレイしている時でも、共用ブロックに行ったほうがちょっと楽だったりします。
マップが狭くなるのに関連してか、エマージェンシートライアルの同時発生数が、Vita/共用ブロックでは2つまで、PC専用ブロックでは3つまでと違いがあります。
それからエネミーの出現数が PC専用ブロックより抑制されています。大勢に影響はないのですが、タイムアタッククエストでは、PC専用ブロックで出来るショートカットが出来なくなったり、思わぬところでエネミー涌きが止まり先に進めなくなったりすることがあります。
エネミー数が抑制されるからだと思うのですが、PSEバーストが PC版より起きやすくなっています。これは便利なので、アドバンスクエストのようにバーストして欲しいものは共用ブロックで…と言われていたこともありました。
さらに目に見える違い
ゲーム的な違いはだいたい上に挙げたぐらいで、根本的なシステムやルールには何も違いはありません。よくそこまでまとめたなあと素直に感心しますね。それでも PC版と Vita版とをプレイすると明らかな違いが見えてきます。一緒にプレイしていた気がつくのは、ロード時間の差 ではないでしょうか。テレパイプ画面からゲーム画面に復帰するのは、やはり PC版の方が速いです。…もっとも性能差の大きなPC間でも同じようなことが起きます。
ロード時間の差は、エネミーの討伐数が求められるクライアントオーダーをやっている時、先に動けるようになった人が進みすぎてしまい討伐数に差が出てしまうといったことの原因になりかねません。そういった時は、やはり全員が動けるようになるのを待ってから行動開始するといった配慮をすべきでしょうね。
それからチャット機能に関しては大きな差があります。PC版のチャットウィンドウはログ機能も兼ねており、バックスクロールさせて少し前まで遡って読み返すことが可能です。デフォルトでは画面右下にあり、場所や大きさを自由に変えられます。
一方、Vita版はチャットの文字入力をしようとすると、ゲーム画面が4分の1に縮小されて左上に収まり、右上に入力された文字やチャット先を指定するウィンドウ、下半分にソフトウェアキーボードがどんと現れます。縮小されているとはいえ、何とか画面内の文字は読めますが、文字入力中に見逃すとそれまでになります。チャットログをこの時 読み返す手段はありません。通常のゲーム画面で、自分自身をタッチすると画面右側にチャットログウィンドウは出ますが、バックスクロールできないのでやはり流れたログは読み返せません。
そんなわけで、Vita版でやっている人はチャットログを読み返すのが殆ど不可能なので、チャットメッセージを見逃す可能性が高くなることは覚えておいたほうが良いように思いました。これは私自身ももっと配慮するべきと反省することが多いです。
【2016年10月1日 加筆】上記でチャットログを過去まで読み返せないと書きましたが、Vitaにもチャットログを振り返る機能が存在していました。それはチャット入力画面で「ログ」というボタンをタップすることです、そうするとページ切り替えで過去のチャットログも見返せるようになっています。
PC版はチャットウィンドウに限らず、多くの情報ウィンドウが自由に場所や大きさを変えられるようになっています。一方で Vita版は画面サイズの都合でPC版より一度に表示できる情報が少なめになっています。PC版では一度に表示されるものがページ分けされていたり、ボタンを押して情報を切り替えて表示したりする仕掛けが作られています。
PC版をやった後で、Vita版をやると不便に感じるのが、装備に付けられた特殊能力がどんなものなのかの説明が、装備の情報ウィンドウ内には表示されないことです。Vita版では特殊能力の一覧が別情報としてまとめられているので、それを見なければならないのですよね
操作方法の違い
キーボードという言わば多数のボタン(キー)を持つPC版と、限られたボタンしか無いVita版とでは、当然 操作体系にも違いがあります。私はPC版でもゲームパッドを使っていますが、ゲームパッドを使わずキーボード+マウスでプレイすることも可能です。マウスを動かすことで視点移動、左クリックで通常攻撃、右クリックでPA使用となっていて基本的に右手用。左手は「WASDで移動」を始めとしたその他の操作を受け持つイメージです。
一方、ゲームパッドも私はボタン数が足りないという理由で、一般的な12ボタンパッドではなく、16ボタンパッドを探して使っています。個人的には右側が一般的な4ボタンではなく6ボタンであれば、16ボタンパッドに拘る必要はあまり無いのですが…。
ただ、それでも幾つかの操作は便利という理由で、キーボードも併用しています。
アルファベットの上の数字キー「1」~「0」がサブパレット10個に直接対応しており、これはよく使います。またテンキーの数字キーは「1」~「6」が武器パレット6つ、「7」~「9」がサブパレット3つに直接対応しており、パレット切り替えは基本的にこちらを使っています。一発で切り替えられるのでとにかくスピーディーで良いのです。
また、Alt+アルファベットで、ロビーアクションがショートカットできるのも便利です。使用頻度が割と高めの 挨拶(Alt+Z)、座る1(Alt+X)、座る2(Alt+C) はどう考えても押しやすいアサインだと思います。またアクションのアサインは自由に変更できるため、エレナは Alt+Cを 座る3 に変更してたりします。
で、Vita版が出ると聞いた時、真っ先に私は「あれ? サブパレット、どうやって使うつもりなんだろう?」と思ったわけですね。またゲームパッドの場合、RLキーも2つずつあってそうじゃないと厳しいと思っていたので、そこも気になっていました。
Vitaの場合ボタン数は少なめかもしれませんが、画面タッチという強力な入力方法があるのですねえ。なのでサブパレットの使用は画面上のサブパレットを直接タッチすることで解決しています。直感的で分かりやすいと思います。右上のマップもタッチすることで拡大縮小が切り替えられます。
それから武器パレットがPC版は画面中央下にあるのに対し、Vita版は画面右下にあり、これをタッチすると武器アクションが出来るようになっています。私のように Vitaの Rボタンを回避に使っている場合、武器アクションは十字キー下にアサインされるのですが、それよりは武器パレットをタッチするほうが直感的に楽です。
また、Vitaは背面にもタッチパネルがあります。これの左右にもアクションを割り当てることが可能なので、そうするとRLキーが2つあるのと一緒になります。…ちょっと慣れは必要ですが…。
PSO2が Vita TVに対応していないのは、画面タッチや背面パネルなどの操作が出来ないからじゃないかなあ?と予想しています。
ちょっと不便なのはターゲット切り替えです。視点変更のための右アナログスティックがターゲット切り替えも兼ねてしまっているため、PC版で独立して操作していた私はいまだに戸惑います。しかもPC版にも視点変更のアナログスティックでターゲット切換するモードがデフォルト設定されるようになり、ターゲットが勝手に切り替わる?と軽くパニックになったりしました(そうしない設定にすることが可能です)。
ざっとこんな感じ
両方プレイして感じた差異はだいたい以上です。色々差はあるものの、比較的制約の少ないPCゲームを、Vitaで遊べるようにしたのはやっぱり大変だっただろうなあと思います。正直挫けそうになったこともあるのではないでしょうかねえ(笑)。